【有機農業】土の働き者がおいしい野菜を作っていた!?
ほいっす〜。 農学院生もすたです。
有機野菜めっちゃ好きなんですよね。
なんとなくですが、味が濃い気がします。
人参を食べて、「あぁ〜人参の味いぃ〜(水素の音感)」笑
それが、採れたてだからなのか、はたまた、慣行農法とは違う何かがあるのか全然知りません。
全然専門外ですが、「Organic Farming soil」で検索したらいくつか登場したので読んでみました。
有機農業と微生物のお話です。
海外の有機農業
有機農業は元々、ヨーロッパで「持続的な農業」を作り出すために生まれた農法です。
化学肥料や農薬の大量使用、表土流出、などの社会的な背景がその要因にあるとされています。
EUの規則では以下のように定義づけられています。
最善の環境対策、高い生物 多様性、天然資源の維持、高いアニマルウェ ルフェア(動物福祉)基準の適用を組み合わ せた農場管理・食品生産
日本では有機野菜 = 安全な野菜 と認識されがちで、若干背景は異なりますね。
ヨーロッパでは消費者の関心も高く、欧州全体での市場規模は増加傾向です(2017年)
実際、フランスに行った際に、オーガニック限定のスーパーがいくつも展開されていたことに驚きました。
有機農業と慣行農業の土の違い
有機農業ではこれまで微生物の特性を含めた土壌状態を改善することが研究からわかってきています。
しかし、実際には有機農業と慣行農業での微生物群集にどのような違いがあるかは解明されていませんでした。
そこで、Martina Lori は有機農業と慣行農業の微生物群集の豊富さや活性状態に着目して比較を行いました。
その結果以下のことがわかりました。
- 微生物バイオマス炭素・窒素, 総リン脂質脂肪酸, デヒドロゲナーゼ, ウレアーゼ, プロテアーゼの活性が有機農業において32~84%高いことがわかった。
- マメ科植物の輪作体系及び有機物(有機肥料)の投入が土壌微生物群衆のサイズと活性に影響を与えていることがわかった。
- 土壌微生物群衆のサイズと活性の農法による違いは土地利用(耕地, 果樹園, 草地)、作物サイクル(1年生 or 多年生)、気候地帯で変化する。
微生物バイオマス窒素は無機窒素となり、作物に吸収されることがわかっています。
総リン脂質脂肪酸は存在する微生物群衆量を示しています。
ウレアーゼは尿素を二酸化炭素とアンモニアに変える酵素のことです。
これらはバイオマスのindicator(指標)として評価されています。
要するに、
微生物群集のサイズ自体が大きくなり、その活性も大きくなる。特に、マメ科の輪作体系をとることが有効的である。
と、いうことです。
最近では、NGS(次世代シーケンサー)によって、土壌中にどんな微生物が存在するかまでわかってきています。自分の畑でどんな微生物が働いてくれているのか、どんな微生物が効果的なのか、、などなど。謎は多いですが、そういった論文にも目をつけられたらと思います。
専門外すぎて知らないことが多すぎたので、調べて追記していきたいと思います。
それでは!
引用
Lori M, Symnaczik S, Mäder P, De Deyn G, Gattinger A. Organic farming enhances soil microbial abundance and activity-A meta-analysis and meta-regression. PLoS One. 2017;12(7):e0180442. Published 2017 Jul 12. doi:10.1371/journal.pone.0180442